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『フォーエバー・ヤング』~人生を左右する勇気ある愛の告白、53年経っても、あなたが後悔しないために~

フォーエバー・ヤング

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後悔先に立たず

 

この作品をジャンルで言えば、ラブ・ロマンス映画になります。

 

この作品の主人公は愛する人への勇気が足りなかったために、とても後悔します。

 

あの時、プロポーズしておけばよかった。

 

好きだと告白しておけばよかった。

 

あなたはそんな経験ありますか?

 

恋して好きで好きで堪らない人というのは、人生の中に何人も現れないと思います。

 

すごく貴重な存在です。

 

その人と話をしているだけでとても幸せ。

 

もしフラれちゃっても、別れてしまっても、その人を責めたりしないと思います。

 

”貴重な思い出をありがとう、いっしょに居た時間とても幸せでした”って言える人。

 

こういう人をかけがえのない人って言うんだろうと思います。

 

こちらがエネルギーを持って何かを伝えると、結果がどうであれ、相手はそのエネルギーを返してくれます。

 

そこに自分の後悔は決してないと思います。

 

それは自分自身のためです。

 

でないと、過去に囚われて前に進めません。

 

さあ、勇気を持って当たって砕けましょう!

 

愛する恋人ヘレン

 

それでは作品に入ります。

 

舞台は1939年、大戦前のアメリカです。

 

主人公のダニエルはアメリカ空軍のテスト・パイロットの仕事をしています。

 

彼には、幼馴染のとても大好きなヘレンという恋人がいます。

 

セピア色調の映像の中、ダニエルの家で、暖炉の前で二人で寝転んで一皿のピザを仲良く食べたりします。

 

椅子で居眠りをするダニエルにヘレンはそっとキスをします。

 

その部屋にはビリー・ホリデイの曲 "The Very Thought of You"  が甘い音色で流れています。

 

ヘレンがその曲を歌うのを口で押さえてちゃんと歌えなくしちゃったりして。

 

ヘレンといる時のダニエルはまるで子供のように楽しそうです。

 

ダニエルにはハリーという軍科学者の親友のハリーがいます。

 

とあるピクニックで、アイスクリームを持った男の子がずっと、ダニエルの方を見ています。

 

ダニエルはどう声をかけたらいいのか戸惑っています。

 

ダニエル:「僕をじっと見つめてる」

 

ヘレン:「きっと好きなのよ」

 

ヘレンはそう言って、ダニエルを諭します。

 

ダニエルは子供が苦手なんですね。

 

どう話していいのかわからないんです。

 

後々、ダニエルは子供と親密に接することとなるんですが...。

 

そして、その場所でハリーは妻ブランチに子供が出来たことを発表をします。

 

この子がキーパーソンだったりします。

 

ダニエルとヘレンは”次は私達ね”という風に見つめ合います。

 

ヘレンは早くプロポーズしてねと言わんばかりに微笑みます。

 

雨の降る悲しみのカフェ

 

とある雨の降る午後、ダニエルは行きつけの喫茶店でヘレンと待ち合わせをします。

 

列車の姿をしたおしゃれな喫茶店です。

 

先に来たダニエルはプロポーズの予行演習をしています。

 

ダニエル:

「あっという間に1939年だ」

 

「何を言いたいか君は察してるだろうが...」

 

「ヘレン、結婚しよう」

 

少し気さくな感じのパターンを試します。

 

ダニエル:「ねえ、ヘレン...」

 

そこにヘレンが急いでやってきます。

 

ヘレンは塩をこぼしてしまうのですが、その塩を自分の首筋にかけます。

 

ヘレン:

「雑誌社から写真の注文が入ったの」

 

「でも急ぎなの」

 

「木曜日が締切なのよ」

 

「今からすぐ帰って、明日の午後までに揃えなきゃ」

 

ダニエル:「待って!」

 

ヘレン:「何?」

 

ダニエル:「パイを」

 

ヘレン:「パイはさっき食べたでしょう」

 

ダニエル:「もう一つ」

 

ヘレン:「あきれた」

 

ダニエル:

「なぜか腹が減って」

 

「(店員に)パイをもう一つくれないか?」

 

「君は本当に食べない?」

 

二人の間にしばらく間ができました。

 

ヘレン:「何?」

 

ダニエル:

「別に何でもない、一緒にパイを食おうと...」

 

「急いで食うよ」

 

ヘレン:

「悪い知らせね」

 

「新型ロケットの飛行テスト?」

 

ダニエル:「ロケット?バカを言うなよ」

 

どうしてもダニエルは勇気が出ません。

 

急いで食べるダニエルにヘレンは優しくナプキンを差し出します。

 

ヘレンもダニエルのプロポーズに気づいている様子で、勇気の出ないダニエルに微笑みかけます。

 

ヘレン:「もう行かなきゃ」

 

ダニエル:「分かってる」

 

ダニエルはプロポーズを言う勇気を出せませんでした。

 

ヘレンはダニエルにキスをして、カフェを出ていきました。


ダニエルは残念そうな顔をして、カフェ内の公衆電話から、ヘレンにプロポーズできなかったことをハリーに電話します。

 

その時、顔なじみの店員の動きが慌ただしくなりました。

 

ダニエルに言います「早く行ったほうがいいですよ。ヘレンさんが大変だ...」

 

何と、急いで喫茶店から出ていったヘレンはカフェの前の道でトラックにはねられてしまいました。

 

抜け殻のように

 

ヘレンは頭を打ってしまい、意識が回復しません。

 

毎日ダニエルはヘレンのベッドのそばに居続けました。

 

そして、時が経ち、半年間ずっとヘレンは意識が回復しないままでした。

 

医者もサジを投げているようでした。

 

ダニエルは抜け殻状態になり、家に閉じこもりっきりになってしまいました。

 

親友のハリ―もダニエルの家に行き彼を慰めます。

 

ハリー:

「あれから半年だよ」

 

「医者はもう目覚めないと」

 

ダニエル:

「医者なんか」

 

「彼女はまたねと」

 

「またねと言って別れたんだ」

 

「子供の頃彼女とよく灯台へ行った」

 

灯台のそばの古い家で老後を過ごそうと」

 

「彼女の思い出ばかり」

 

「彼女は僕の一部だ」

 

そこで、ダニエルはハリーが研究している冷凍睡眠保存の実験のことを知ります。

 

そして、被験者がいないということを聞き、数日間考えた末、ダニエルは自ら志願します。

 

ダニエル:

「彼女の死はつらい」

 

「1年眠らせてくれ」

 

ハリ―:「何を言う」

 

ダニエル:「よく考えた」

 

「軍隊に入って12年、健康に問題はない」

 

「家族もなく、仕事柄テストには慣れてる」

 

「資格は満点だ」

 

「そうだろ?」

 

ハリ―:「あれは未完成品なんだ」

 

ダニエル:

「ハリ―、頼む、僕を実験台に...」

 

「その間に、彼女は...」

 

ハリ―:「医者の間違いかもしれん」

 

ダニエル:「もし、彼女が目覚めたら起こしてくれ」

 


眠りに入る間、灯台の元でダニエルとヘランとの幼い頃の楽しい情景シーンがスローで流れます。

 

ようやく目覚めてみると

 

1年の実験予定でした。

 

しかし、何と53年が過ぎ、1992年になりました。

 

軍施設の近所に住む10歳のナットとフィリックスは親友で、いつもいっしょに遊んでいます。

 

こういう寂しい気分の中にもこの作品にはユーモアがたくさんあります。

 

ナットはフィリックスに「歯医者はいつ行くの?」と言います。

 

フィリックスはパイの中の甘い所だけを吸い続けています。

 

次のシーンではフィリックスは歯に詰め物をして、何もしゃべることが出来ません。

 

フィリックスの兄は空軍で働いていて、車で配達をしています。

 

奇妙な歌を叫びながら歌い続ける兄を二人は無言で聞いています。

 

彼の運転する車の後部座席に乗せてもらい、軍施設にやってきました。

 

じっと車の中で大人しくしていろと言われますが、二人は言いつけを無視して施設を探検します。

 

とある倉庫で、潜水艦に似たものを見つけた二人は、潜水艦ごっこをし始めます。

 

ナット:「コンピューター、準備OK」

 

フィリックス:ジェットエンジン作動」

 

ナット:放射線チェック」

 

フィリックス:「現在の読みは?」

 

ナット:

「65を維持してる」

 

「潜水!」

 

フィリックス:「潜望鏡は?」

 

ナット:「準備よし」

 

フィリックス:

「浸水警報だ!」

 

「酸素を」

 

二人は勢いでバルブを開けてしまいます。

 

すると装置の扉が開き、中から冷凍人間が出てきました。

 

ナットは着ていたジャケットを掴まれますが、必死に二人は逃げました。

 

ナットは母のクレアにジャケットを無くした経緯を説明しますが信じてもらえません。

 

一方、冷凍睡眠から目覚めたダニエルは、思うようにならない体を引きずりながら、53年経ったまわりの環境に愕然とします。

 

軍の関係者に説明しますが、頭がおかしいと思われ、相手にされません。

 

子供たちの助けを借りて

 

ハリーを見つけるしか無いと考えたダニエルは協力者を探します。

 

つかんでいたジャケットの住所を手がかりに、ナットの家に行きます。

 

ダニエル:「君がナット・クーパー?」

 

ナット:「死人だ!」

 

フィリックス:

「冷凍人間が解けた!」

 

「助けて!」

 

ダニエル:

「騒ぐな、何もしないよ!」

 

「何もしないって」

 

「なぜ、僕がジャケットを持ってた?」

 

ナットとフィリックスはパニックで二人同時にしゃべってしまい、ダニエルは聞き取れません。

 

ここは面白いです

 

ダニエル:「君が話して」

 

ナット:

「フィリックスと倉庫へ...」

 

「中で遊んでいたら、潜水艦のようなものがあって、それを開けたらおじさんがその中に...」

 

ダニエル:「警備員とか、医者は?」

 

ナット:「ガラクタだけだったよ」

 

ゾンビだと思っていた彼らの誤解を解き、これまでの歴史やテクノロジーを教えてもらいます。

 

第二次世界大戦や留守番電話、紙パックのジュースの飲み方など。

 

ダニエルがパイロットだと聞いたナットは驚き、とても嬉しがります。

 

3人は53年間の出来事を図書館に調べに行きます。

 

ナットの片思い

 

そこにナットが恋をしている女の子が来ます。

 

ナットはフィリックスに勧められて声をかけます。

 

この場面がとてもユーモラスで面白くて、ナットが女の子の気を引こうとします。

 

ナット:「土曜日にこんな図書館に...イモだと思われる」

 

フィリックス:

「彼女もいるんだぜ」

 

「声をかけてみろよ」

 

ナットは女の子に話しかけに行きます。

 

ナット:「ハイ、アリス、元気?」

 

アリス:「ええ」

 

ナット:「いい服着てるね」

 

アリス:「ありがとう」

 

ナット:「壁紙みたい」

 

女の子は不機嫌な顔をするんですが、「上等の壁紙だよ」とフォローになっていないフォローをします

 

続けて、ナットはしでかしてしまいます。

 

ナット:「そのマニキュア、血みたい」

 

もはや、アリスに相手にされません。

 

ナットはダニエルに大丈夫だよと陽気に合図します。

 

全然大丈夫ではないんですが...。

 

ナット:「自転車で事故ったんだぜ」

 

アリス:「本当?」

 

ナット:

「自転車はめちゃくちゃ、ポンコツだ」

 

「怪我を見せてやる」

 

「かさぶたははがさないでおく」

 

アリス:「とても痛そう」

 

ナット:「ありがとう」

 

アリス:「それじゃあ、行くわ、またね」

 

ナット:「僕はイモだ...」

 

怪我して擦りむいだ痛々しい傷口を見せたりして、とんちんかんなことをしてしまいます。

 

そのやり取りをダニエルはじっと見ているんですが、あまり興味を持っていない様子です。

 

一人せつなくて...

 

母子家庭で二人で生活している母クレアと子ナット。

 

ナットは父がいなくて、すごくさみしそうにしていました。

 

いろいろあって、ダニエルは母のクレアとも仲がよくなります。

 

クレア:

「私、聞き上手なのよ」

 

「何か困っていることが?」

 

ダニエル:「心細さの経験は?」

 

クレア:「私の専売特許よ」

 

ダニエル:

「目覚めた時にいるはずの友達が、この辺に住んでいたのにいない」

 

「彼がいないとどうしていいか分からない」

 

クレア:「自分の家はないの?」

 

ダニエル:

「愛していた人を失って、金も服も家も何もかも捨ててしまった」

 

「先のことなど考えずに...」

 

ダニエルも次第にナット親子のプライベートを知ることとなります

 

ナットは操縦を教えてとダニエルは懇願されます

 

ナット:「明日、暇があったら飛行機の操縦を教えて」

 

気落ちしていたダニエルは、フライトジャケットも飛行機もないと断ります

 

ナット:

「パパは蒸発した」

 

「知りたかった?」

 

ダニエル:「僕には関係のない事だ」

 

ナット:「僕が1歳の時に出ていった」

 

ダニエル:「そうか」

 

ナットは残念そうな顔をします。

 

ダニエルはふと、思い出の喫茶店に立ち寄り、二人が座ったテーブルに腰掛けます。

 

そして、塩を手に取りヘレンのしぐさを真似て首に振りかけ、目をそっと閉じます。

 

クラシックなカフェが傷ついたダニエルを優しく包み込んでいます。

 

ナットはダニエルにどうしたら、彼女を自分に振り向かせることができるか相談します。

 

ナット:「一つ聞いても?」

 

ダニエル:「なに?」

 

ナット:

「図書館で見たでしょ、アリスって女の子」

 

イカす子でしょ」

 

「顔もかわいい」

 

ダニエル:「それで質問は?」

 

ナット:「フィリックスはヤキモチを焼かせるのが一番だって...」

 

ダニエル:

「君はまだ子供だろ?」

 

「もっと他のことを」

 

ナット:

「僕はもう10歳だよ」

 

「彼女が好きだ」

 

ダニエル:「僕だったら彼女のことは頭から追い出して、考えないね」

 

ダニエルにとってヘレンを失った後なので、恋愛のことは考えたくないんですね。

 

ダニエルはリビングでビリー・ホリデイの曲"The Very Thought of You"のアルバムを見つけます。

 

ヘレンとのたくさんの思い出がつまったあの曲です。

 

アルバムを見ながら、ヘレンを思い出し、さみしさが込み上げてきました。

 

事情を知らないクレアはその曲をかけてしまいます。

 

ダニエル:「今はよせよ」

 

クレア:「ナットは眠ってるわ」

 

♫ The very thought of you and I forget to do
あなたにずっと思い焦がれているだけで


♫ The little ordinary things that everyone ought to do
やらなければいけない小さなことすらも全部忘れてしまうの


♫ I'm living in a kind of daydream
夢の中で暮らしている


♫ I'm happy as a queen
お姫様みたいな気分


♫ And foolish though it may seem
ばかげているとは思うけど


♫ To me that's everything
これが私にはすべて


♫ The mere idea of you, the longing here for you
あなたにずっと思い焦がれているだけで、いつもあなたにあこがれている


♫ You'll never know how slow the moments go till I'm near to you
わからないかもしれないけど、そばにいないと時間の流れが遅くなってしまう


♫ I see your face in every flower
花を見ればあなたの姿を思い


♫ Your eyes in stars above
星を見ればあなたの瞳を探してしまう


♫ It's just the thought of you
あなたのことだけを思い焦がれてる


♫ The very thought of you, my love
大好きな人

 


辛さに耐えきれなくなったダニエルは部屋を出て、涙しました。

 

ハリーに装置から起こされなかったということは、ヘレンは死んだのだ

 

あの時、告白していればよかったとダニエルは後悔したに違いありません。

 

男の友情

 

自分の考えが間違っていたと気がついたダニエルは真夜中に突然ナットを起こします。

 

ダニエル:

「ナット、起きろ」

 

「僕が間違っていた」

 

「アリスのことだよ、間違ってた」

 

ナット:「どうするの?」

 

ダニエル:

「いい方法を知りたいんだろ?」

 

「気持ちを彼女に伝えるんだ」

 

ナット:「どうやって?」

 

ダニエル:「今度、彼女に会って心臓がドキドキ止まりそうになったら、吐き出せ」

 

ナット:「吐き出せ?」

 

ダニエル:「君の気持ちを隠さずに全部ぶつけるんだよ」

 

ナット:「どうやって?」

 

ダニエル:

「僕に言ったことを彼女に言うんだ」

 

「心を開いて歌うんだよ」

 

ナット:「歌う?」

 

ダニエル:

「そうだよ、それも早い方がいい」

 

「チャンスを逃したらそれきりだ」

 

「いいね?」

 

「間違っていたってことを言いたかった」

 

ナット:「ありがとう」

 

ナットの勇気

 

次の日の夜、ナットは彼女の家に行き、木に登って、窓からアリスを呼びます。

 

アリスは窓を開けました。

 

アリス:「ナット?」

 

ナット:「そうだよ」

 

ナットは深く深呼吸して目を閉じました。

 

♫ 君は僕の太陽 たったひとつの太陽


♫ 曇り空でも 君がいれば幸せさ


♫ 君は知らない 僕がどれだけ君を愛してるか


♫ 僕の太陽を奪わないで

 

ナットは心をこめて歌いました。

 

ダニエルは比喩で歌えと言ったのをナットはそのまま歌ってしまいました。

 

すごくユーモラスで暖かなシーンです。

 

アリスの後ろから女の子の父親が出てきました。

 

アリスは恥ずかしそうに顔を隠します。

 

アリスの父:「悪ふざけか?」

 

ナット:

「違います、僕はマジです」

 

「僕はナット・クーパー、お嬢さんを愛しています」

 

「教室で毎日見てて、好きになったんです」

 

「本当です」

 

アリスの父:「ナット...帰りなさい」

 

ナットはうなだれて家に帰ろうとしました。

 

後ろを振り向くと、彼女は優しく微笑んでくれました。

 

ナットは元気を取り戻しました。

 

これからどうすれば...

 

ある日、ダニエルはナットとクレアの元を去ろうとしていました。

 

ナットはダニエルにかっこいいフライトジャケットをプレゼントします。

 

ナットとフィリックスの隠れ家ツリーハウスで、簡単な飛行機のコックピットをつくり、二人で擬似運転しました。

 

ナットにとって、父親と甘えることができない一時をダニエルと過ごしました。

 

だんだんダニエルの体に異変が出てきます。

 

ダニエルは急速に老化し始めます。

 

ナットは助けを呼び、ダニエルは病院に運ばれます。

 

軍は冷凍睡眠装置とダニエルの存在に気づきはじめていました。

 

軍はダニエルを探し始めます。

 

一方、ハリーの家を探し出したダニエルたちは病院を抜け出し、向かいます。

 

ノックして出てきたのは、ハリ―の娘でした。

 

ダニエル:

「ハリ―・フィンリーという人を知っていますか?」

 

「シカゴ出身の科学者で奥さんの名はブランチ」

 

「ご存知で?」

 

ハリ―の娘:「父ですわ」

 

ダニエル:「この家に?」

 

ハリ―の娘:

「父は亡くなりましたわ」

 

「ここに住んでいましたが、私が生まれる前に...」

 

「だいぶ昔の事です。何かの間違いでは?」

 

ダニエル:「僕はハリーの親友です」

 

ハリ―の娘:「ダニエル?」

 

ハリーの娘はなぜか、会ったことのないダニエルの事を知っていました。

 

ダニエルはハリ―の遺品の中から一枚の写真を見つけます。

 

小さな女の子と写ったヘレンの写真でした。

 

ダニエルは黙ってその写真を見つめます。

 

また、ハリ―の実験記録を記したノートが見つかりました。

 

その最後のページには、”老化停止不能”と書かれていました。

 

ナットはそっとダニエルに触れました。

 

ダニエルを冷凍した後に、ハリーは被験者の老化を止めることができないことを知ります。

 

ハリーは装置からダニエルを助け出そうとしますが、その時の火災でハリ―は死んだとダニエルは知らされます。

 

そのため、53年間もダニエルが助けられなかったのです。

 

ハリーの研究資料をクレアは受け取りました。

 

クレア:

「彼女がヘレンね」

 

「その女の子はあなたの娘さん?」

 

ダニエル:「いや、僕らは結婚していないよ」

 

ハリーの娘:「その女の子は2歳の時の私よ」

 

ダニエル:

「そんなはずはない」

 

「交通事故で死んだはずだ、君が生まれる前に」

 

ハリーの娘:

「ダニエル!彼女は生きてるわ!」

 

「7年前に旦那さんが亡くなって、故郷の灯台のそばの家で暮らしているわ」

 

ダニエル:「そんな!ヘレンは生きてるのか!」

 

老化を止められないことを知って落ち込んでいたダニエルに希望の光が差しました。

 

翼を広げて、恋人の元へ

 

ダニエルはヘレンの元に向かうことを決意します。

 

ハリーの家にFBIの追っ手が来ました。

 

車では逃げれないと悟ったダニエルは飛行機でヘレンの所に行こうと空軍施設へ向かいます。

 

折しも、昔の飛行機の航空ショーをしていた場所に逃げ込み、飛行機に乗って離陸することに成功します。

 

後部座席から物音が聞こえてきました。

 

なんとナットが飛行機に乗り込んでいたのです。

 

ナットはダニエルに父親の姿を想像し、離れたくない気持ちとダニエルの体を気遣う気持ちから、ダニエルの乗る飛行機に乗りました。

 

ナット:「フライトジャケットを忘れたでしょ?持ってきてあげたよ」

 

ダニエルは呆れ返っていました。

 

やがて、ヘレンの家近くの灯台が見えてきました。

 

ダニエルは老化がひどく、操縦困難な状態でした。

 

ダニエル:「あの家だ!」

 

ダニエルは操縦をナットの手を操縦桿に乗せ、操縦を託しました。

 

ダニエル:

「そっとだ、そっと」

 

「バック・プレッシャーを」

 

ナット:

「チェック、圧力OK」

 

「死なないで!」

 

ダニエル:

「右旋回」

 

「車輪を下ろせ」

 

ナット:「下りたよ」

 

ダニエル:

「一緒に着陸させよう」

 

「時速200キロ」

 

「フルフラップ」

 

ナット:「フルフラップ」

 

ダニエル:「機体を水平に」

 

ナット:

「ダニエル!」

 

「機体を水平に!水平に!」

 

ダニエル:

「機首を上げろ!」

 

「ブレーキを!」

 

ナット:「止まれ!」

 

ダニエル:「よくやった」

 

二人の乗る飛行機は何とか着陸できました。

 

再会、時を越えた告白の時

 

辺りは風がとても強く、老化してもうおじいさんの姿のダニエルのグレイの髪の毛がなびきます。

 

この美しい風景、あなたにも是非とも観てほしいです。

 

ダニエルはヘレンの家のドアを恐る恐るノックします。

 

しばらくの間待ちましたが誰も出てきません。

 

するとダニエルは風上からの匂いを感じ取ったのでしょうか。

 

振り返ると摘み終わった花を運んでいる姿のヘレンを見つけました。

 

辺りは夕日で昔のあの時と同じようにセピア色に変わります。

 

かもめが数羽、風に乗って浮遊しています。

 

ヘレンもこちらに気づきます。

 

すっかり老体になったダニエルは足を引きずるようにゆっくりとヘレンの元に近づきます。

 

ヘレンは涙ながらに微笑みながら、言葉を発します。

 

ヘレン:「ダニエル!」

 

ダニエル:「そう、僕だよ!」

 

この間の時間、ヘレンはどんな思いだったでしょう。

 

彼女は幼い頃、ダニエルと誓った灯台のそばの古い家で老後を過ごしていました。

ダニエルとの約束通りに。

 

一度は結婚し、53年経った今も、ヘレンはダニエルを忘れられなかったのですね。

 

ナットはそばで涙ぐみながら、二人を見守っています。

 

ダニエルはヘレンに今度は何の迷いもなく告白します。

 

ずっとずっと後悔し続けた日々を思い出しながら。

 

ダニエル:「僕と結婚してくれるかい」

 

ヘレン:「喜んで」

 

二人は抱きしめあい、やがてナットが寄り添いハッピーエンディングとなりました。

 

実は原文ではダニエルは ”So are you going to marry me?” と言っています。

 

「それで、結婚してくれるかい!」

 

53年前のあの日のプロポーズの続きのように話しているんですね。

 

なんて時間をかけてジョークだったのでしょう!

 

あなたの心がすっとする作品です

 

ほんの行き違いで別れ別れになった二人。

 

もし、あの日、ダニエルが勇気を出して告白していれば...。

 

もし、ダニエルが冷凍睡眠装置に入らなければ...。

 

ダニエルにとってはヘレンとの再会は半年ぶりですが、ヘレンと私達、観客にとっては、53年の月日が流れています。

 

すごく貴重な貴重な53年間ですが、これから二人が過ごすであろう一瞬一瞬のほうがもっともっとかけがえのない濃密な時間となるでしょう。

 

この作品は53年という時間より愛情のほうが価値が高いと私達に投げかけています。

 

フォーエバー・ヤングとは、心のことです。

 

肉体は衰えますが、心は永遠に持ち続けることができるということを教えてくれます。

 

また、ほんの少しの勇気の大切さを教えてくれています。

 

そして、ダニエルとクレアとナットの人のつながりの優しさがにじみ出ています。

 

ビリー・ホリデイの歌声でエンドロールが終わりました。

 

アメリカ映画らしい、きれいなきれいなハッピーエンドですね。

 

この作品を観れば、この拙い文章以上にあなたの心は震えることでしょう。

 

ビリー・ホリデイ、いいです。

 

ナットのユア・マイ・サンシャイン、いいです。

 

あの温かい思い出のカフェ、一度観てください。

 

ラストシーンの灯台への着陸。

 

飛行機とかもめの美しい飛行の共演。

 

摘んだ花を持った美しいおばあちゃんのヘレン。

 

クレアを演じるジェイミー・カーチスのお茶目でしっかりとした演技。

 

すべてがうまい具合にブレンドされたラブストーリーです。

 

あなたの心に必ず残る作品となると思います。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

 

では、次の作品でお会いしましょう。

 

さよなら。

 

 

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